アイバンク運動とは、角膜障害のため、失明の不幸に見舞われている人のために、善意による角膜提供登録者(献眼登録者)を募り、死後(心臓死後)、遺族の同意を得て角膜(眼球)の提供を受け、角膜移植手術によって開眼の機会を与える「光と愛の運動」です。

角膜移植を希望する待機患者は約2,000人、しかし、献眼数は1,000眼未満・・・

日本におけるアイバンク運動は、1958年(昭和33年)に「角膜移植に関する法律」が施行されたことに端を発し、これまで、献眼登録をしている人は、全国で100万人以上に及んでいますが、2020年度末、日本の待機患者は約2,000名、献眼者は約500名、移植件数は1,000件となっています。しかし、実際の角膜疾患のための視覚障害者は約19,000名おり(平成18年度厚生労働省身体障害者実態調査)、角膜移植の機会を得られない方が待機患者以外にも多く存在します。
ちなみに、人口が日本の約2倍であるアメリカの献眼数は年間90,000眼以上、移植件数も40,000件で、これに比べると、わが国のアイバンクの実情は非常に立ち遅れており、しかも、近年は、献眼登録数も、眼球(角膜)提供者数も年々減少する傾向にあり、結果、実施された角膜移植の約4割が輸入角膜に頼っているという非常に憂うべき状況にあります。
NPO法人日本アイバンク運動推進協議会は、こうした実情を少しでも改善するために、毎年、全国各地持ち回りでアイバンク運動を推進するための講演会を開催するなど、アイバンク運動の活性化に努めています。